2023年ヒット商品1位に輝き、様々な影響を与えたChatGPT
その中核を担うAIのGPT-4のAPIに、ついに!上位モデルが発表されました!
その名も
GPT-4 Turbo
今回は、GPT-4 Turboの全容と今回の大型アプデによって、何が変わったのか解説します。
料金改定
GPT-4のAPIと言えば、一番大きかった懸念点は料金でしょう。
GPT-3.5 Turbo | GPT-4 (8K) | GPT-4 (32K) | GPT-4 Turbo | |
入力 | 0.001 | 0.03 | 0.06 | 0.01 |
出力 | 0.002 | 0.06 | 0.12 | 0.03 |
入力が0.01ドル/1k 出力は0.03ドル/1kと、どちらの料金も非常に安くなっています。
もちろん、GPT-3.5 Turbo と比較すると5倍以上の差はあるので、今後も適材適所としての使い分けは必須です。しかし、大幅に安くなったことで、使いやすくなったことは確かでしょう。
今回のアップデートにおいて変更されたのはGPT-4だけではなく、GPT-3.5 Turbo とGPT-3.5 にも価格の改定が入りました。
gpt-3.5-turbo-1106が最大トークン数が16K、価格は入力が0.001/1K 出力が0.002/1Kで、ファインチューニングも可能です。
gpt-3.5 は入力の価格が75%低下し、0.003/1K 出力の価格が62%低下し0.006/K となりました。
中身もすごい!
この新規モデルはただ安くなっただけ、なんてものではありません。中身も大幅に進化しています!
学習したデータセットは2023年4月までの情報となっており、今までのGPT-4では回答できなかった内容、学習していなかった内容もこらえられるようになっています。
また、文章の長さに直結する1度に使用可能なトークン数の上限も128Kとなり、今までの最大だった32Kから4倍となっています。
実際に聞いてみた
GPT-4が学習している物としては、2021年9月までのデータであり、ロシア・ウクライナ戦争に関しては答えることができませんでした。
しかし、GPT-4 Turboではどうでしょうか?
ロシアとウクライナの戦争について、説明してください
入力文
ロシアとウクライナの戦争は、2022年2月24日に開戦した軍事紛争です。この紛争は、非常に複雑な地政学的背景があります。大まかには以下の通りです。
### 歴史的背景:
ウクライナとロシアは、過去にソビエト連邦の一部であり、長い歴史的・文化的結びつきがあります。しかし、ソビエト連邦の崩壊後、ウクライナは1991年に独立しました。その後、ウクライナは西側諸国、特にヨーロッパ連合 (EU) との結びつきを強化し始めました。
### 地政学的緊張:
ロシアはウクライナが西側、特にNATO(北大西洋条約機構)に接近することに警戒感を持ち、自らの安全保障上の懸念を表明してきました。ロシアはウクライナの西向きの動向、特に2013年のユーロマイダンの抗議行動とそれに続く親ロシア的な政権の打倒、そして親西側の政権が樹立されたことに反対してきました。
### クリミアの併合:
2014年、ロシアはウクライナの南部にあるクリミア半島を併合しました。これは国際社会によって広く非難され、ロシアに経済制裁が科されました。しかし、ロシアはクリミアを自国の一部と見なし続けています。
### 東ウクライナの紛争:
クリミアの次には、ウクライナ東部のドンバス地域(ルハンスク州とドネツク州)で親ロシア派の分離主義者が蜂起しました。この蜂起はロシアの支援を受けたと広く見られています。紛争は数年間続き、ミンスク協定と呼ばれる停戦協定が何度か締結されましたが、実際には不安定な状況が続いていました。
### 2022年の侵攻:
2021年終わりから2022年初頭にかけて、ロシアはウクライナの国境近くに10万を超える兵力を集結させました。これに対してウクライナ、EU、米国などは強く懸念を示しました。2022年2月24日、ロシアはウクライナに対し全面的な軍事侵攻を開始しました。これは国際法に違反する行為として世界中から非難され、西側諸国はウクライナに経済・軍事支援を行い、ロシアに対しては更なる厳しい経済制裁を科しました。
### 侵攻の影響:
侵攻は数多くの民間人の死傷者を出すとともに、ウクライナ国内で広範な破壊を引き起こしています。何百万人もの人々が国内外に避難し、ヨーロッパ以降最悪の難民危機の一つとなりました。また、ロシアの行動は世界経済にも影響を及ぼし、特にエネルギー市場と食料供給の面で不安定化を生じさせました。
### 現状と将来:
2023年時点で戦争は続いており、世界各国からの支援、和平交渉の試み、戦場での進行状況などが日々変わっています。コンフリクトの解決に向けた具体的な見通しは不明確であり、引き続き複数の国と国際機関が関与しています。
出力文
このように、しっかりと出力してくれました。また、内容も基本的には間違っておらず、4月時点での情報であることを踏まえれば、十分と言えるでしょう。
と言っても、使っていない人には、GPT-4ではどのように回答するかわからないかもしれませんので、実際に同じ文章を聞いてみました。
ロシアとウクライナの戦争は、2014年に始まった一連の軍事衝突で、これは2013年から2014年にかけて起きたウクライナの政治混乱と直接関連しています。これは、ウクライナが欧州連合(EU)との関連協定に署名を見送り、代わりにロシアと経済同盟を結ぼうとしたことに端を発したもので、ウクライナ国内では大規模な抗議活動が起きました。この抗議活動は「ユーロマイダン」と呼ばれ、行政の変革を求める大規模な民主化運動へと発展しました。
2014年2月にウクライナの元大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチが失脚し、新政府は欧州連合に接近を試みました。しかし、その直後の3月、ウクライナのクリミア半島がロシアによって併合され、これがウクライナとロシアの間の軍事的対立の火種となりました。ウクライナ政府はクリミアのロシアによる併合を認めておらず、国際社会の大部分もこれを非難しました。
クリミア半島での出来事から短期間のうちに、ウクライナの東部、特にドンバス地方のルガンスク州とドネツク州で親ロシア派の分離独立運動が活発化しました。これらの地域は「人民共和国」と自称し、ウクライナからの独立を宣言しましたが、これはウクライナ政府や国際社会からは認められていません。
以降、この地域ではウクライナ軍と親ロシア派武装勢力との間で紛争が継続しています。乏しい平和交渉にも関わらず、2014年以来、この地域では一時停戦が実施されることもあるものの、完全な平和は訪れていません。戦闘による死傷者は両サイドともに数千人にのぼり、この紛争は人道的危機を引き起こしています。
ロシアは、独立を求める武装勢力への支援を行っていると広く指摘されていますが、ロシア政府はこれを否定しています。この紛争はウクライナだけでなく、ロシアと欧州連合(EU)やNATO、アメリカ合衆国といった他の西側諸国との関係にも影響を与え、領土と主権の問題だけでなく、より広い地政学的な問題にもつながっています。
出力文
このように、的外れな内容を返してきます。そのため、「最近の話題にはついてこれない」というのが、今までのGPT-4の認識でした。
しかし、直近の出来事を学習したことで、より多くの新しいデータがわかるようになったことで、最近の話題や新しい話題でも、それなりに会話ができるようになったわけです。
特に、2023年の4月はChatGPTが普及した頃なので、
GPT-4とGPT-3.5の違いを、400文字程度で教えてください。
入力文
GPT-4とGPT-3.5の違いは主に性能の向上および内部のモデルアーキテクチャの改良にあります。GPT-4はより多くのデータとより進んだ学習アルゴリズムを使用してトレーニングされ、一般的にGPT-3.5よりも言語の理解と生成が精緻です。具体的には、GPT-4は言語の文脈をより良く捉え、より複雑な推論タスクをこなせるようになっています。また、ユーザーの意図を解釈する能力が向上し、より関連性の高い応答を生成できるようになりました。さらに、GPT-4は誤情報に対する耐性が高く、信頼性を確保するための改善が施されています。技術的な詳細はオープンにされていない場合が多いですが、モデルサイズ、トレーニングデータセット、アルゴリズムの効率性等に進化が見られます。
出力文
といった質問も可能です。
新しい情報と長文に対応し、非常に使いやすくなったGPT-4 Turbo 皆さんもぜひ触ってみてください!